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フィリップ・デルヴス・ブロートン『なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?』

を、読みました。

まず、この本には何か答えが書いているわけではありません。アマゾンのレビューにもあるように、これは題名がとにかく非道くて、邦題に偽り有りの代表例と言っていいです。ただ、そこをちゃんと踏まえた上であれば特に期待はずれの本では決してないのが、この本を不幸にしている所以です。出てくるのは、古今東西の営業のプロたちの生き様。しかし著者はあえて詳細な描写にとどめて自らの価値判断を放置します。つまりは、彼らの姿を見て、読者であるお前はどのような営業をプロとしてよしとするか? を。徹底的に考えさせられます。会社に宗教のように帰属して商品を売りまくるのも、営業のプロです。そこにお前は没頭できるのか? 没頭できないのであれば、セールスマンである自分を一つの必要悪として、役割として割り切るのか? ではそういう人生を送ったとき、お前は幸せな会社生活を送ってきたと言い切れるのか? そういう人生をお前は望んでいたのか?

けれど、著者が言いたいのはきっと、セールスという仕事をどう評価するのであれ、当面の間はそれは人間がやらなければならない仕事であり、であるならば、どうせやるなら楽しくやろうよ、熱意を持ってやったほうが、世のためになるよ、というポジティブなメッセージなのです。その声が届くか? 実に、実に、考えさせられる一冊です。

繰り返しになりますが、邦題はとにかく無視してください。


安達裕哉『「仕事ができるやつ」になる最短の道』

を、読みました。

元ネタになっているブログが結構おもしろかったので購入しました。題名はちょっといつわりありで、仕事を前向きに楽しむためのいろいろなTIPSが紹介されています。そしてなにより、それらは著者自らの経験の範囲で生み出したものではなく、いろいろな人にインタビューして回って聞いたその成果であるところが、数多の自己啓発本とは違うところです。

読めば、今日からできることは今日からやれますし、一年後の自分を意識しながら「心がけ」として認識しなければならないものもあるし、アイテムの並べ方もなかなか良かったです。当たり前のことなんですが、それを当たり前にできていないことは多いです。ここに書いてあることを実践するだけでもずいぶんと会社生活は違ってくると思うし、ちょっとやってみようという気になる言葉で説かれているのもまたgoodです。

ということで、35歳になりました。


秀島史香『いい空気を一瞬でつくる誰とでも会話がはずむ42の法則』

七尾藍佳に始まり、西任暁子で極まり、秀島史香で締まる。女性ラジオDJたちの言葉は、そしてその経験から生まれたコミュニケーションスキルは本当に役に立ちますし、その人の人となりに裏打ちされている分すっと自分の中に入ってきてくれます。とにかく、90年代、ラジオっ子でした。毎週声を聞いていた人たちの本を読めるというのは嬉しいものです。ラジオは、その場その場で終わってしまうし、番組の性格によっては単なるアナウンサーでしかないこともあったりするので、彼女たちの本当の「声」が聞けるのは貴重。


牧野茂雄『中国のワナ』

といっても、中国のことだけが書かれているわけではありません。もちろん、自動車業界のトレンドが中国を主戦場としていることは間違いないのですが、その意味では少し題名が誤解させるところがあります。副題にすればよかったのに。いずれにせよ業界人必携。ここに書かれてあることをよくよく理解して、そして自分なりの意見をもつことが、明日の自動車産業に携わる資格を持つというものでしょう。いろいろ検索しながら読みたいね。


『駿台式! 本当の勉強力』

なにに驚くって、入不二基義のツイッターを見ていたら霜先生がもう「還暦」だって言うんだよ(もう二十年経つんだよ)。

しかしここに書いてあった「子供らしさ」を戦略的に自分のものとするっていうのは、実際、会社生活でも役立っている。もちろん、成熟した成人男性像みたいなものを求める、あるいは求められる場面に立ち会わせてもらえないとか、そもそも「ガキ」扱いされるとか、そういうことと引き換えなのかもしれないけど。でも、年齢を重ねるにしたがって、村上春樹的に言えば「男の子」的な要素をいつまでも失わずにいることって、厳密には霜さんの言っていることとは違うかもしれないけれど、大事だと思う。体力はもちろんおっつかないけど、せめて新しいことには怯えないとか、人の興味には興味を持つとか、そういうことなんだよな。子供っていう言い方が悪ければ、「オジサン」とかかちこちの「中年男性」には、概念として、断固拒否、ということなんだろうよ、きっと。もちろんいつまでも自分が若いと思っているのは自分だけなんだけど、そういう人生を選ぶ自由くらいは、まだ残されていると思って、明日からの会社生活も軽やかに渡っていきたい。


長野慶太『英語は恥ずかしいほどゆっくり話しなさい!』

を、読みました。

例の「ゆっくり」を個人的なテーマとしている中で、英語もかくやということで。ただ、ゆっくりしゃべるということは冒頭でちょっと触れられているだけで、「ゆっくり」の意味はもう少し広がりを持っています。つまり、意味のない言葉を間に挟み込むことで自分の思考が前に進む時間を稼ぐ、というのが後半の趣旨。そして、「会話」というのはそういうものだと半ば開き直ります。まあ、「実践的」をつきつめるとこういう右派も出てくるのでしょう。必要に迫られて、例えば会話の相手もまたEnglish as a second languageの場合は、少しまた違うのではないかと推察もするのですが…。しかし会社でも習いましたが、結局は会話の主導権を握るのに喋れる喋れないというのは実はあまり本質的な差異ではなくて、わかったふりをせず、「英語のわからん俺にもよく分かるように話せ!」というくらいのつもりでわからないところは何度でも聞き返せばそれでいいということ。

……などと書評を書いていても別に英語が上達するわけでもないので、英作文&英会話をなんとかせねば……。


高根英幸『エコカー技術の最前線』

を、読みました。

ハイブリッド、ディーゼル、FCVまで網羅的に「エコカー」の技術的なトレンドを掴むのに有用でした。まだまだ自動車特有の基本的に用語に暗いので、例えば「トルクっなに?」とかCVTの仕組みなど仕事で関わったにもかかわらず未だに百パーセント理解しきれていないところなどあり、本書で完結するのではなくて適宜ネットで検索などもしながら(スマホ片手に読書、というのが最近のぼくのトレンドであり……)周辺知識の整備にも励んでおります。表紙は、ミライですね。