三交代勤務で、工場の操作室にいる事が多いのですが、そこにいて思うのは使い込まれた道具が多いということ。そしてまた、パソコンも人間がやりたい事をやるための一つの道具でしかないんだな、ということ。
操作板自体も手でガチャガチャとレバーを動かしたりボタンを押したりするものから、すべてパソコンの画面にタッチして制御するものに変わっていっているそうです。
現場のおっちゃんに言わせれば、やっぱり手でレバーを操作したりする方が実感があっていいんだそうです。これも一つの「疎外」なのかなあ。なんでもかんでもパソコンにやらせることは経済性や合理性を考えればしょうがないんだけど、労働条件という視点から見るといいことずくめではないのかも。
使い込まれた、という点ではやっぱり道具の使われた時間の長さにも驚きます。20年とか30年とかはざらだし、パソコンや電話機も真っ黒で星霜を感じさせます。それにひきかえふと自分の周りを見渡してみて10年以上使っているものってなんにもない。
新しいもの、速いもの、かっこいいもの――それも大事だけど壊れないもの、無骨なもの、遅いもの、長持ちするものもこれからは一つの評価軸として持っておきたい。