月別アーカイブ: 2005年5月

道具は使い込まれるべき

三交代勤務で、工場の操作室にいる事が多いのですが、そこにいて思うのは使い込まれた道具が多いということ。そしてまた、パソコンも人間がやりたい事をやるための一つの道具でしかないんだな、ということ。

操作板自体も手でガチャガチャとレバーを動かしたりボタンを押したりするものから、すべてパソコンの画面にタッチして制御するものに変わっていっているそうです。

現場のおっちゃんに言わせれば、やっぱり手でレバーを操作したりする方が実感があっていいんだそうです。これも一つの「疎外」なのかなあ。なんでもかんでもパソコンにやらせることは経済性や合理性を考えればしょうがないんだけど、労働条件という視点から見るといいことずくめではないのかも。

使い込まれた、という点ではやっぱり道具の使われた時間の長さにも驚きます。20年とか30年とかはざらだし、パソコンや電話機も真っ黒で星霜を感じさせます。それにひきかえふと自分の周りを見渡してみて10年以上使っているものってなんにもない。

新しいもの、速いもの、かっこいいもの――それも大事だけど壊れないもの、無骨なもの、遅いもの、長持ちするものもこれからは一つの評価軸として持っておきたい。

ツマラナイ奴?~教員免許がやってきた

猪俣ユキさんという女優をやったり脚本を書いたりしている方がいるんですが、同じ1982年生まれということでちょっと気になって日記とか読んでいた時がありました。で、彼女のある日の日記で今だに心に残っている言葉がある(これはもう彼女のサイトに行っても見れません。気になった文章はやっぱり印刷して残しておくべきだね)。

いろんな事に興味があって、なァ~んにもやる気がおきない。〔中略〕
自転車だって最近乗ってない。
やっばー、
もしかして私、ものすご~くツマンナイ奴になろうとしてる?
やややや、何かしよ。
マジで。
ぬーん。

この、最後の「ぬーん」にはまった……のではなくて、「もしかして私、ものすご~くツマンナイ奴になろうとしてる?」という自問がすごくすごく倫理的というか、どういう人間になりたいのだろう自分は、っていう問題の答えを示しているような気がして。もちろんそれは今の自分と照らし合わせてっていうことなんだけど。

周りに流されないようにっていうことには気を使っている。やりたいことをやる時間もやるべきことをやる時間も必要だし、それは自分で死守しなくちゃいけない。でもそこまでして守るものってなんなのだろう、それってすごくツマラナイ? もちろん「んなこたあない」って今は言えるのだけど。もちろんツマラナイかツマラナクナイかを判断するのは自分。自分の頭でも体でもいいけど、そいつらが発している信号に従おうと思う。

ちなみに猪俣さんの文章は他にも思わず膝を打ちたくなるような表現がたくさんあります。

上海は、貧富の差が目に見えて激しい。〔中略〕
日本とは違って、「それなりに」とか「てな感じで」みたいな言葉はない。

これを読むと海外なんか行った事もないぼくでもちょっとは他でもない日本という国に自分はいるんだなということを再確認させられる。あるいは

私は、脚本を書きながら泣いたりする。
気持ち悪いけど、だけどそれくらい「愛」と「優しさ」を持っていないと駄目だと思う。

本当に人を感動させるにはこれくらいでないとまともな作品なんて書けないんだろうな、とこれはぼく自身がなにかを書く時に必要な心構え。そして一番好きなのが次の一節。

学生時代、東京タワーにハマっていた時期があった。
月に3度も行った。
タワーに登ってアイス食いながら、ただただ好きな人のお家の方向を眺めていた。
ヤバイ?
恋人になりたかったんじゃなく、眺めるだけの恋だったのだ。

まるで小説の書き出しのような文章です。いいよね、江國香織の『東京タワー』なんかよりずっと上の五行を読んだだけで東京タワーに登りたくなります。

ところで今日教員免許が送られてきました。封筒に「東京都教育庁人事部選考課」なんて差出人が印字されていたら寮の人に「なーんだ、あいつはもう会社やめんのか」とか思われちゃうでしょ! ま、いいけどさ。

三交代勤務が始まります

明日から三週間は勤労実習といって、実際に工場の三交代勤務を体験します。ぼくの班はとりあえず最初が早番なのであんまり時差ボケを起こさずにすみそう。体験するのは、たぶん鉄を知らない人でも写真は見たことであろう転炉に関わる部分(高炉で溶かした鉄のドロドロしたやつを鍋に入れて成分調整するところね)です。↓こんなの

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はっきり言ってやっと仕事っぽいぞ! という感じです。公務員並みですよ、ここまでの研修のグダグダさは……。明日の朝は六時出勤のため今日はもうさっさと風呂に入って寝ることにしますわ。

ほんとにやるんですか、バンド

同期でバンドを組むことになりました。楽器のできないぼくは作詞とライブでの前説担当らしいです。バンド名は「虹色(なないろ)ギャングスター」……月刊プロボーラーというテクノグループの曲名からパクりました(マニアックすぎるよ)。虹色ということでちゃんと七人編成です。ちなみにぼくは藍色担当らしいです。

っていうか、ほんとにやるんですか、黄色担当のリーダーよ。ほんとにいま歌詞書いてますからね。できたら曲付けてもらいますからね。アコギの似合う歌詞ですからね。

昨日今日はずいぶん冷えます。水色担当に借りたレッチリのベストを聴きながらの休日です。

この表紙はかなり好きだ

島本理生の最新作です。ついついジャケ買いしました。

冒頭だけ読んでみたんですがなかなかおもしろそう。最近むだに本ばかり買っています。なんか本棚に本がつまっていないと気分が落ち着かなくて……はやく埋めたい。

配属面接でした~あえてそのジレンマを

やっぱり人事を希望。経理もいいかなと思っている旨を伝えました。どうなるのかな……結果が楽しみです。配属先の発表は23日なのでそれまでちょっとドキドキですね。久しぶりに「面接」を体験したので入り口で名前を言うのもすっかり忘れていました。これはちょっと反省。

ところで最近またブログを更新するのに前向きになっています。実は「もうホームページごと閉鎖しちゃおうか」とか「まったく匿名で新しく作りなおそうか」とか思う時がけっこうあって、それはやっぱり会社に入ると書く内容を選択しなくちゃいけなくなる、そしてその選択に意外と頭を悩ませられるからなんです。

もちろん個人情報とか企業秘密を守るのは最低限のこととしても、実際だれが見てるかわからない場所にどこまで書いていいのかってけっこう書き手個人の判断に委ねられるから難しい。割と倫理的なところに訴えてくるし。

ここのところその基準が自分でもつかなかったのでなるべくプライベートな内容に偏らせていたんだけど、書いていて自分も面白くないんだよね、あんまり。だからもうすこし会社でのネタもこれからは増やしていこうと思います。一日の中で圧倒的に工場にいる時間の方が長いわけだし、あんまり人の入れないラインを見ることもあるのでその面白さも自分なりに文章の形で残しておきたい(その結果読んでいる人にも伝わればこれ幸い)という思いもあるから。

せっかく社会人としてブログを書くならそういうジレンマもあえて体験しておいた方がいいと思う。たぶんその中で学べることもあるんじゃないかな。なにより書くことでぼくの場合は「世界」に対する興味を喚起できるし……ただ、問題はすべてをネタとして見てしまうと、当事者意識がごっそり脱落してしまうっていうところ。何かを笑いのめすということは、それを自分には直接関係のないものとして扱うということだし、なにかを描写できるっていうのは対象との間に距離を置くということだから。それは冷静になるための便法でもあるんだけれど逆に物事に対してコミットすることができない。一長一短あるけれど、そのジレンマも「書く」ということには付随するんだろうな。

なんて、ちょっと今日はだらだら書き流してみました。明日も会社です。

図書券が無くなるらしい

ぜんぜん知らなかった。本を買ったときにくれたしおりの裏に書いてあった。今年の10月までに図書カードに統一されるんだって(図書カード・ドット・コム

でも図書カードってぼく、一度もさわったことないんですよね。図書券ならどこでも使える感覚があるけど図書カードって扱えないお店がありそう。そのへん、どうなのかな。

子どものころ親戚にもらった図書券って母親に取り上げられて参考書なんかに使われていたなー。

自転車こいで海を見に行くなんてジュディマリの歌みたいだ

というわけで、今日は近くの砂浜まで自転車で行ってきました。

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遊泳禁止ですが、サーフィンをやっている人がたくさんいました。太平洋なので水平線までなんにも見えません。ただ、海。いいなあ、こんなところ住んだことないよ。もう東京帰りたくねー!

でも風が強いんですよねー。コンタクトなのですぐ目が痛くなります。またサングラスでも買いましょうか。

とりあえず、鹿島はいいところです!

鹿島生活も一ヶ月

生活に慣れて来るとともに余裕が出てきたのか、ゴールデンウィークだからといって東京に行かなくても休みを満喫しています。東京にいる時と同じ楽しみ方をここでやろうとしても無理なんですね。ここにはここの楽しみ方があるはずで、それが少しずつわかってきました。

さっき鹿島神宮まで自転車で行ってきたら森林浴には絶好の境内で、かなりいい散歩をすることができました。古事記や風土記にも記載がある史跡で、小林一茶も訪れているようです。そういうのもちょっと勉強してみたいし、なにより住んでいるすぐ近くに観光地(意外と観光客がたくさんいました)があるというのも新鮮です。

それから近くの雑貨屋に行ってみたらなんとチェブラーシュカのグッズが売っているではありませせんか! ハンズにも売ってなかったようなものもたくさんありました。こりゃあ買い集めるしかねえな……。

寮のすぐ近くのさびれた本屋も意外と品揃えがいいことに気がついて(岩波文庫はやっぱりなかったけど)、売れる本しか置いていないレンタルショップ付設の本屋までわざわざ自転車をこいで行かなくてもこれからはすみそう。

ますます自動車を買う気が無くなってきました。自転車でないと気がつかないことってたくさんあるのよね。

今さらですが

上の本を購入、ちびちび読んでいます。就活の時はけっこう鉄鋼か化学か迷っていたんですけど、実は鉄鋼ってけっこう化学なんですよね、メッキの技術とか。漠然と化学と言われると石油化学のイメージが強かったんですが、まったく自分の考えがおかしかったことにこの本を読んでいると気づかされます。本の編集は新日鉄なんですがね……。

本の話で言えば、下の本も非常に面白いです。

出たー、齋藤孝! 最近同工異曲の本が多かったのですが、久しぶりに新しいテイストのある齋藤本です。まあ簡単に言うと不機嫌でいると一つも得は無いから「上機嫌」を「技化」(この辺り、齋藤節バリバリ)しろということ。気がつけば眉根にしわのよってしまう自分に戒めの意味も込めて読んでいます。なかなかいいですよ、これは。

今日は生まれて初めてパワーポイントなるものをいじくりました。けっこう簡単ですね、よかったよかった。

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「洞窟物語」やっとクリアしたー。

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