よしもとばなな『こんにちわ! 赤ちゃん』

を、読みました。怒涛のばなな研究月間です。

WEBに掲載していた日記の文庫編集版です。本当はもっと前後に巻があるのですが、出産経験はけっこうターニングポイントになっているはずだというスケベゴコロからまずはこの巻から通読。

個人的には、産まれるまでのまだかな…まだかな…という感じが結構追体験できました。この時期(2003年〜2004年)はけっこうメディアに出ていたのでよしもとばななの「結婚」の形であるとか、お産に対する考え方、人間関係に対する考え方はテレビを通じてもよく知れ渡っているのではと思いますが、あらためて読んでいると元気が湧いてくるというか、こういうエネルギーに満ちた文章が書けるというのはすごいと思います。自分がダメだと思うものはダメだというし、いいと思うものはいいとはっきり言う。決して、ダメだというのも自分の考えが百パーセント正しくでソイツが絶対に悪だ、と言っているのではなくて、こういう考えに基づいている自分にとってアンタラの言うことは全く受け付けないから、自分は少なくともそう思うからこれ以上関わるのをやめます、と言っているにすぎません。そこが潔いというかね、なかなかそういうニュートラルな感じでダメなものはダメという姿勢って貴重だと思います。文章で誤解なくそこまで伝えるのって、難しいものだと思います。ちらほら出てきますが、お金を貸して返ってこなかった裁判とかもこの時期重なっていたようで、日記とは言いながら公開しているものなのでこまかい野次馬的なことは書かれていませんが、何度落ち込んでも回復してくる、あるいは回復する身体の力を信じ抜く著者の姿勢には、頭が下がります。

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