決定版「三島由紀夫全集」第十二巻

を、読みました。

いわゆる著者の大衆小説である「複雑な彼」「命売ります」を所収していますが、いずれも一級のエンターテイメントです。特に初出が「女性セブン」(「欠号多数」のため校訂が充分に出来ていない!)「週刊プレイボーイ」ということもあり、十二分に想定読者に対するサーヴィスが行き届いています。なにより、純文学に片足を突っ込みながらこういう娯楽作品もきっちり仕上げてくるところに、汲み尽くせぬ三島由紀夫の面白さがあります。

「命売ります」などは小説というよりは二時間くらいのちょっと長めの舞台にしても面白いかも知れないと思いました。

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