スティーヴンスン『ジーキル博士とハイド氏』

を、読みました。

原作を離れてあまりにも有名になってしまった、いわゆる手垢にまみれた名作の原書を改めて読み返すことは、頭の中に一陣の清らかな風を送り込むことに等しいことはよくあることです。本書は「二重人格」というフレーズとともに、文学好きな心理学者が片棒を担いできたがゆえの誤解を色々とまき散らしてきた作品ではあるのですが、読んでみれば案外とあっさりとしたホラー短編です。とはいえ、やはり奇妙な短編であることは間違いなく、その後の「手垢」抜きで例えば文学的にどう評価されるのかは個人的にもよくわからない作品です。

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