きっともう誰もおせっかいをやいてくれることはないのでしょう
少なくともあなたがなにかを投げなければ
投げ返されることは無いのでしょう

ノスタルジーを敵に回して「今」にすがりつく筋力を欲しがっていた
初心？　きっとそれさえ過去というオブラートにつつみこんでは見えなくしていた
いいんだよ　忘れなくて
いいんだよ　忘れなくても
ただそのことであなたが「今」を耐えられるのならば
その条件さえ守られるならば

昨日の自分と比べるのがつらければ
一年前の自分と比べればいい
いったいその変化が成長と呼べるかどうかは別として
あなたは多くのことをあきらめたかわりに
いくつかのことを学んでいるはずだ
その絶対数が負けていることは別として

感謝せよ
戻りたくとも戻れない場所を心に持てることを
見失うな
かつての燦然たるもう一つの時間軸を
あなたはその延長線上にいる

日曜日の孤独を抱えきれずに涙を流すのならいっそ忍び泣きがお似合いだ
この感傷が蜜になるなら苦い酒に溶かせばいい
それで眠れる
そして目覚めたとき
ゆめ生まれ変わったなどと思ってはならない
なぜならあなたは
昨日の延長線上にいるのだから

あなたがぼくを忘れても
ぼくはあなたを忘れないでしょう