ブルガーコフ『巨匠とマルガリータ』を読みました。

ほんと15年ぶりに読み返しましたが、おもしろかった! もうジブリの世界ですね、セリフが一つ一つ渋い声優さんの声で聞こえてきそうなくらいです。

ぼくの世代(40代)だと本作はまず群像社ライブラリーなんですよ。今でも覚えていますが、もうなくなった渋谷のBOOK1stのロシア文学の棚に行くといつも、上下2巻本の分厚くて小さい本が並んでいて、面白そうだなあ~、でも高いなあ~、と思いながらぱらぱらとめくっていたものでした。大学の同級生が、たしか授業で読んでいるというのも聞いて、なおうらやましかったのも記憶しています。

時は流れ、かの池澤夏樹による瀟洒な世界文学全集に入ることになったと聞いた時、いの一番に買って読みたいと思わせた本作。いまでは岩波文庫にまで取られています。本当にすばらしい世の中になりました。

・・・という思い出話はさておき、当時のソ連の社会を風刺しているのかどうかはぼくには正直、まったくと言っていいほどわかりませんが、黒魔術師が劇場でニセ札をばら撒き、ほうきにまたがった全裸のマルガリータが空を飛び、黒猫がスーパーマーケットでオレンジを食らう──もうそれだけでワクワクするじゃないですか。これだけの長編でページをめくる指が止まりません。ゴールデンウィークに通読するのにまさにうってつけの一冊でした。

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