『成井豊のワークショップ 感情解放のためのレッスン』を読みました。

キャラメルボックスは、ぼくが高校生の時によくMXTVで公演の放送をやっていて(たしかキャラメルボックスTVという番組でした)、その後の出演者のトークも含めてよく見ていました。大学に入って劇団やっている人たちがよく「キャラボが~」とか言っているのを聞いて、ようやく「あっ、けっこう有名な劇団だったんだ」というのに気が付くというのがぼくの貧しいながらの思い出だったりします。コロナの後、活動休止となったときはびっくりしたものでしたがその後活動再開されたようですね。

本書はもう何回読み返したかわからないのですが、もちろんぼくが役者になりたいということではなくて、特に大学に入ったときや会社に入ったとき、なんにも知らない人間関係の中に入っていくときの心得的なものとしてこれにすがっていたところがあります。

結局のところ、人間関係があるところは舞台と言っていいのだと思っています。友達と遊ぶのだって、会社で会議の司会をやるのだって、結局はキャラを生きることになる。けれど、それを最も前向きにとらえていくとしたら、やはりこの本で紹介されているメソッドによる感情解放が大切になってくるのだと思います。曰く、演技しない演技。

それはキャラを即席で作るということではない。一回だけの邂逅だったらそれは機能するかもしれない。でも、ぼくたちは学校だって会社だって、生活のほとんどの時間をそこで過ごすわけなので、四六時中自分とは違うキャラを演じ続ける(そういう自分を自分で監視し続ける)のは不可能。

その時、本書で言う「ニュートラルな自分」をしっかりと軸に据えて変身を華麗にしていく、その軽やかさこそがぼくのような人間嫌いがある役割を負った社会人としてやっていく上では必要なことなのだと考えていました。その意味で、役者志望でなくとも、よりよく生きるという意味においてもあらゆる人に通用する成井さんの考え方なのだと信じています。

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