『図説 ユダヤ教の歴史』

を、読みました。

市川先生編纂によるユダヤ教の歴史をビジュアルに概括できる良い本です。ユダヤ教は、宗教というよりはイスラームのように生活習慣に深く根ざしたもので、さらに事態を難しくさせているのは悲しい歴史にも体現されているように、それが一つの「民族」「人種」としての規定も含んでいるからなのでしょう。そのことをこのわずかなページ数の中に織り込むことはなかなか並大抵のことではないと感じました。それでもなお、カバラーについてなどトピック的な章立てもふんだんにあり、なかなか興味深いです。おそらく宗教としてのユダヤ教についての記述は抑えられているので、旧約聖書のあれやこれやなどについては実際に原典にあたるとかしないといけないのでしょうが、しかし意外とユダヤ教についてなんの偏見もなくコンパクトにまとまった本というのは、探しても本当にこれ以外見つかりません。ふくろうやとんぼのシリーズは昔から好きですが、これもおすすめです。

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