川崎昌平『労働者のための漫画の描き方教室』

を、読みました。

久しぶりに、心を揺さぶられる読書。そして、本書に書かれてある言葉から大きな勇気をもらった気がします。ぼくのばあいは漫画ではありませんが、考え方はまったく同じだなあ、としみじみと感じ入りました。飯のために書かなくていい、ということに感謝すべしという、ある意味で「逆転」の発想。あるいは、自分のアウトプットのために(漫画ですら)ゆっくり読んだほうが発見がたくさんあるということ。そして著者の「漫画ってそもそもなんなんだっけ?」という根源的な問いは、かつてぼくが韋編三絶読んだ保坂の『書きあぐねている人のための小説入門』にも通じる何かがあります。

考えるために書く。自分を掘り下げるために書く。それは、会社という労働環境からいまひとつ距離をおいたところで愉悦に浸れる唯一の時間。そんな「創作観」は、確かに「労働者」にとっては最高のモチベーションです。なぜもっと早く気が付かなかったのか? もちろんそれは、人と比べていたからなんだろうな。それに対する処方箋もしっかり書かれているあたり、本当に、「書きあぐねている人」だったサラリーマンにとっては読むところのある本です。

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