吉本ばなな『マリカのソファー/バリ夢日記』

を読ました。

『B級BANANA』には将来書きたいテーマとして多重人格が挙げられていましたが、これがまさにそうでした。これは最初に単行本で刊行された時には『マリカの永い夜』としてこの文庫版の登場人物が関係性の異なるバージョンとして世に出されました。その後、著者の納得のいかなさから人物関係を変えて、本書が成ったということです。「ジュンコ先生」が本当に主治医の先生としてバリ旅行に同行するという体裁だったのが、「ジュンコ先生」は単なる近所の主婦で、マリカが新愛をこめて「先生」と呼んでいるだけという形に変わっているそうです。そうか、それで「先生」が違和感あったんだな。

残念ながらというべきか、併録のバリ旅行記の方が面白すぎた。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA