アンドレアス・グルスキー展@国立新美術館

に、行ってきました。

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「ドイツの現代写真を代表する写真家、アンドレアス・グルスキー(1955年–)による日本初の個展」ということで、前評判も良く興味が湧いたので行ってきました。写真家による写真展というよりは、現代美術家による写真の可能性の現在、といったほうが良いです。もちろん作品自体は90年代に撮られたものも多くありましたが、一貫して追い求めているものはかわりなく、それをデジタルの力を借りてより先鋭的な高みにまで持ち上げています。

とにかく、焦点というものが無い。無い、というか全てに焦点が当たっている。それも人の二倍くらいの高さのある写真すべてに。だからこれはデジタルハイビジョンのテレビを初めて見たときの違和感にもつながっています。どこもきれいに見えすぎてしまって一体どこを見れば良いのかわからない、という。

そしてそういう「どこをて良いかわからなさ」という武器を持って作者は「群衆」「情報の羅列」「作業の反復」といったモチーフに合う被写体を的確に探し出してきます。それは大衆消費社会への警告、とかそういう下らない「教訓」をすっ飛ばして、あくまでもこの作者のフェティッシュな視線に酔うという体験を豊かに与えてくれる展覧会なのです。

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