元リクルートを肩書きに持つ人の本はいろいろ読んできましたが、この本は一番よかったかな。やっぱり大和書房のエッセイにははずれがありません、ホントに。
年末にあった他でもないリクルートによる三年目社員研修の時に味わったどうしようもない違和感を余すところなく言語化してくれています。
いまの若者が就職を重たく考えすぎるのは、キャリア教育の影響だと思いますよ。今は仕事によって自己実現を果たすことが重要だって学校ですり込まれていますからね。単調な、自分を活かせない仕事を押しつけられると不安になるんだと思います。
著者の言葉ではありませんが、著者が大いに共感を持ったとする意見の引用です。いつからこの自己実現仕事観がはびこったのか(フリーター黎明期か?)知りませんが、とにかく害悪のある仕事観です。
一部の特権的な人間を一般化して見せてみんなこうあるべきだと言い立てる輩の頭の悪さにはうんざりしますが、世間がそれに乗っかっちゃうとまるでそれが正しいかのように、常識であるかのようにふるまいはじめます。
多かれ少なかれ僕の世代前後の人たちというのは滅私奉公的仕事観からは後ろ側に位置するのでどうしても自己実現を至上としてしまいがちですが、それと仕事とはやっぱり別だと思う。一緒にしようとするから苦しいのであって、むしろ仕事には自己実現以上の喜びがあるんじゃないの? とまでは著者は言っていませんが、本当にそう思います。
あるいはこれは「逃げ」の論理なのかも知れないけれど、目の前の仕事をとにかくこなしていく、言われた仕事は「こいつ使えるな」と思われるくらいに成し遂げていく、その点と点とがつながれていくことによって大きなものが見えてくる。そういうリニアな視点がこの本にはふんだんにあって救われる。これでいいんだ、と安心する。
いずれにせよ、前向きな気持ちになれる本です。
もう一冊。
赤坂真理は小説家で、彼女の小説はもう高校生の頃から愛読している僕ですがこの本は著者による女性論、オタク論、戦争論・・・まあ、いろいろてんこ盛りでパンチのあるエッセイです。もっと軽快な読み物なのかと思っていたのに、いい意味で題名に裏切られますよ。
特に女性誌の分類、解釈の秀逸さに舌を巻きます。「Cam Can」におけるエビちゃんの扱われ方とか「FRaU」の変遷など面白すぎる。男性不在の女性誌の紙面作り。結局女性誌の世界と萌えオタクの世界は同じことのウラオモテなんだという結論には説得力があります。そしてそこから透けて見えてくる現代女性の置かれている状況・・・線を引っ張りたくなる行が一ページに一つはあるので具体的な引用はしませんが下手なフェミニズム本よりずっと腹に来るいい本です。おすすめ!
しゃもぢさん、おげんきですか??
ご無沙汰してます~。
わたしも4月から社会人ですよ~。ドキドキしてます。。。
先輩の文章、なんだか奥が深くってすぐには飲み込めないんですけれど、
時間をかけてじっくり消化したいと思います。。
これからもよろしくお願いします♪♪
お久しぶり!
いよいよ社会人ですか。最近僕は愚痴ばっかりなので前向きな意見をよろしく!