歯?

やっと手に入れた。
ホントにどこにも売っていない。

で、芥川賞の選評も読んだ上で読んでみたのですが(結末が甘い、という評が大部分。石原先生は最近の小説は題名がふざけているとのたまっておりました)まあなんとも難解。

語り口についてはいろいろと評価あるとは思うのですが既に町田康がいますからねー。

この小説は、まあ、自意識・自己一人称についてのぐるぐるしたお話です、といえばそれでいいのか。何とか奥歯というモチーフによってその無限ループから逃れようとしているのか、結局それは失敗しているのか、ただの作者の思いこみが先行しているのか。なかなか一回読んでみただけではわからない。けれどもう一回読もうという気にさせてくれないやっかいな小説。所々面白いんだけど。

〈…〉一人称なあ、あんたらなにげに使うてるけどなこれはどえらいもんなんや、おっとろしいほど終りがのうて孤独すぎるもんなんや、これが私、と思ってる私と思ってる私と思ってる私と思ってる私と思ってる私と思ってる私と思ってる私と思ってる私!! これ死ぬまで言い続けても終りがないんや〈後略〉

みたいなところとか。

次回作はやっぱり群像なんですかねえ? 講談社さん。

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