やあ、とぼくは言った。……いや、言わなかったのかもしれない

久しぶりに村上春樹を読み返す。やっぱり、この文体はくせになりますね。『ノルウェイの森』は実に五年ぶりくらいに読み返しました。意外と、春樹っぽくない小説ですよね。自然主義的な描写の練習のために書かれたとか何とか言われますが、まあ私小説風ではあるけど。『1973年のピンポール』はディスコミュニケーションそのものがクローズアップされていたけれど(根源的に人は誰かに何かを伝えたがっている、という定理によって)『ノルウェイの森』ではレイコの存在によってもう少し前向きになっているようにも思います。まあそれにしてもむかし夢中になった本を読みかえす熱帯夜はいいものです。

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