たまには仕事について考えてみようと思う。まだ会社に入って四ヶ月しか経っていないけれど、いやむしろまだ学生気分を引きずっている今だからこそ考えてみることに価値があるのかもしれない。
ただ、正直なにが問題なのかよくわかっていない。不満はあるけれど、どれも幼稚なものだ。少し深呼吸をして周りを見回せば自分はずいぶん恵まれていると感じるし。
もちろん比較の問題じゃない。正直、途上国の「かわいそうな」子どもたちに思いを馳せてやっぱり日本に生まれてよかったと胸を撫で下ろすようなことはしたくない。
最近思うのは、結局企業が人を雇うのは良くも悪くも企業のニーズだということ。就職活動においてはあたかもはじめに被雇用者の「やりたいこと」ありきのように語られがちだけどそれは違う。企業の採用パンフレットによく「きみのやりたい仕事がここにある」みたいなことが書かれているけど、それは違うと思う。
組織に属するということは組織の要請にうまく応えることが期待されているのであって、大きく言えばそれがサラリーマンの仕事なのだと思う。
もちろん非難をしているわけじゃない。それは組織というものが持つ特性だから。もし「やりたいこと」があるなら最初から組織に属しようとはしないはずだ。あるいは最初から「やりたいこと」に従属するものとして仕事をとらえ、いつかはそこから離れていくはずだ。
事実、ぼくが配属されたと同時に辞めていく先輩がいた。彼は起業を志していて、最初から辞めるつもりで会社に入ったという。六月いっぱいという本当に短い間だったけどその人にはけっこうよくしてもらって、寮を出て行く夜も一緒にご飯を食べた(というかごちそうしてもらった)。
なんかもう、すげえな、としか言いようがないのよ。あそこまで言い切れる強さが、そしてまた本当にそれを着々と実行に移していく姿が。要は、組織に属していながら、組織に属するということを目的化している。だから仕事に対しても決して手を抜かない人なのだったと思う。
月並みな結論だけど、結局モチベーションをどれだけ大きく持つか、持ち続けるかということなのだと思う。
能力は限られている、どんな気持ちでやったって結果はさほど変わらないのかもしれない。
でも、やっぱりそれが自分にとってどんな意味を持つのか、それによって自分が何を得られるのかをはっきりさせていた方がつらくないと思う。だって、今ぼくはとても苦しい。
職場の人に言われた、「お前はなんでも他人事だな」。
昨日もご飯を食べながら「お前は何に興味があるんだ」と言われて即座に答えられなかった。「ブンガクですよ」と言う無邪気ささえなかった。
このままじゃヤバい。
自分にとって仕事とはなんなのか。エクセルのちっちゃいマスにケタを間違えないよう金額を入力しているのは、自分にとってどういう意味を持つのか。なんでもいいと思う、金のためでも車のためでも。でも平凡なモチベーションに飽き足らないぼくは自分でその答えを作らなくちゃならないようだ、あるいはその努力を惜しむ者が平凡さに甘んじていくということなのか。
もう一度考えなくちゃならないのかも。でもこうやって書いているとけっこう考えがまとまってくる。そういう時間はやっぱり必要だ。とりあえず、ぼくにとって休日とはリセット、リスタートのための日。土曜日の夜っていいもんだ。