|
中島みゆき
『中島みゆき全歌集』
『中島みゆき最新歌集』
CD屋に行けば中島みゆきのアルバムは買えるのですが、80年代のサウンドはぼくの耳には古く聞こえてしまうため、詩として中島みゆきの歌詞を読みなお
すとなかなか新鮮です。
『全歌集』にはデビューの1975年から1986年まで(これは絶版かもしれません)、『最新歌集』にはその後から2003年までの歌詞が掲載されていま
す。
中島みゆきはアルバムアーティストなので実際にアルバムを聞くことをオススメします。
78年の「愛していると云ってくれ」はもう、涙なしには聴けません。
森田童子もそうですけど、82年生まれの僕にとっては70年代の青春風景って永遠のノスタルジアなのかもしれません。 |
|
R.D.レイン/村上光彦訳『好き? 好き? 大好き?』
着実に版を重ねている名著です。
表紙がかわいいですよね。
精神科医の「シナリオダイアローグ」という形をとった詩集です。
つまりは対話の形になった詩です。
原題は「Do You Love Me?」なのですが、訳者のうまさに惚れ惚れする箇所がたくさんあります。
基本的に人間は孤独であるということを思い知らされますが、それに絶望するかどうかは読者の判断でしかありません。 |
|
Mr. Children
『Mr.Children詩集 優しい歌』
Mr.Childrenの代表的な曲の詞を集めたものですが詩集として読むものです。
例えば普段何気なくメロディーに乗っかって聞いている言葉も、生の姿で目にするとずいぶん印象も違って見えます。
きれいな写真もたくさん載っています。 |
|
木村千穂『中庭の少女』
ある拒食症の女性の画文集です。
拒食・過食は「関係ない」と言う人も多いかもしれませんが(特に男性は)全然そんなことはなくて、根本は「嫌いな自分を変えたい」という願望がねじれて
いってしまう現象なので無視できません。
消え入りそうで、けれども二日酔いのようなしつこさがあります。 |
|
都築響一『TOKYO STYLE』
文庫ですが写真集です。
豪華な写真集や分厚い雑誌に出てくるようなインテリア
に、いったい僕らのうちの何人が暮らしているのだろう。
でも小さい部屋にごちゃごちゃと気持ちよく暮らしている人間ならたくさん知っている。(本文より)
主に一人暮らしの若い人々の部屋の様子がたくさん収められています。
スタイルは人に見せて評価されるものではなくあくまでも自分が居心地よいことが大前提だということを視覚的に理解できる本です。
これはけっこうオススメ。 |
|
MR.CHILDREN/小貫信昭
『【es】Mr.Children in 370 DAYS』
1994年から1995年にかけての一年間の記録です。
ブレイクしてから二つのコンサートツアー、「奇跡の地球」、"es"の着想までを丹念に追っています。
ちょうど、ブレイクしたのが中学に入りたてかちょっと前ぐらいだったぼくの世代はミスチルを好きな人も多いと思いますが、桜井和寿の創作ノートなど興味深
い写真も多く、また映画「es」もあわせて見るといいと思います。 |
|
石川寛監督『tokyo.sora FILM BOOK』
「シンデレラになる方法」で紹介した映画「tokyo.sora」のフィルムブックで
す。
本屋で見つけて買おうと思いながら買わず、地元の古本屋に行ったらあったのでびっくりしました。
東京のかすんだ街並みの上に広がる空。
その空を美しくしているのは、その下で活動している無数の人々。
北野武の言う、傷だらけになったビー玉のもつ美しさのようなものを感じます。 |
|
高階秀爾監修『ピカソ』(「知の再発見」双書)
キュビズムだけがピカソじゃない。
青の時代があり、薔薇色の時代があり、また舞台芸術や詩作にまでその活動範囲は及びます。
この本の豊富な図版を眺めているだけでもピカソの熱が伝わってきます。
様式の急激な変化を安易であると非難するひとびとに向
かい、ある日ピカソはインタビューに答えて言った。
「私は物事が語られるべきであると感じたやり方で、その
つど語っているのだ」(本文より)
「様式=スタイル」の変化は必然的なもの。
|
|
高橋悠治『音の静寂 静寂の音』
評論でも詩でも小説でもない、その形式の新しさもさることながら音楽家である著者のメッセージもまたその一つ一つにはっとさせられます。
静寂に耳を澄ますと聞こえてくる音はなんなのか、誰にも聞かれることのない音は音として存在していると言えるのか、そして声とはなんなのか。
またウォークマンとは、コンピュータ音楽とはなんなのか。
2400円は決して高くありません。
|