
グレンツェ〈境界〉
椎名要
【内容紹介】
◆それは、永遠の若者をめぐる、かつて若者だった4人の物語
年上の語学講師に焦がれる便利屋の男。遠距離恋愛の果てに恋人の秘密に触れてしまう女。事故死した兄の遺志を継ぎアカデミーのキャリアを追う妹。そして、彼女を見守りながら友の死の真相を追う大学院生……。
◆3つのクロニクルは交差と分岐を繰り返し、ついに冬の千歳空港にたどり着く──
ドイツ──ボーフムでの悲劇をめぐって、残された4人の「片想い」が新たな、そして最後の悲劇を北の大地に生む。そのとき「グレンツェ=境界」は溶融し、あとに残ったのは復讐の怨念か、それとも?
ラストシーンを目撃した時、もう一度あなたは最初のページを開きたくなる!
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◇story1「誰もが年上の女を好きだった」
大学に入ったばかりの椎名はドイツ語の授業で出会った語学講師の典子に思いを寄せる。
卒業後も彼女の研究成果を追いかけながら便利屋稼業でその日暮らしをしていたところへ、典子とのウェディングフォトを撮影するという仕事が舞い込んできた。
しかし撮影後に椎名はある男から電話を受けることになる……
◇story2「悲劇的に働く人のための心得」
ドイツ留学先で奈緒子は本田と出会い、帰国後に深い関係に発展していく。
奈緒子は学習塾のアルバイトでの失敗を引きずりながら就職活動を始めるが、なんとか大阪の会社に内定する。
一方で本田は長い大学院生活を切り上げて故郷の室蘭へと帰っていった。
二人の関係は遠距離恋愛を続けることになるのか、それとも……
◇story3「百年の俘虜記とその解放の日」
自らの祖先とドイツ人捕虜との交流を歴史の明るみに出した荒矢は地方史の世界でちょっとした有名人だった。
その意思を妹の典子は引き継ぎ、同時に同級生だった本田は荒矢が巻き込まれた交通事故の真相を調査することに自分の生活のすべてを捧げる。
しかしちょっとしたすれ違いから新たな悲劇が北の大地に起こった……
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全ての伏線が回収されたとき、この物語はもう一度あなたに問いかける。
生きることは偶然の積み重ねか、それともあなたは選択の意志を信じるか?
★★★著者渾身の長編787枚。堂々登場!★★★
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