
こたえあわせ
椎名要
【内容紹介】
「真実を明らかにするのが、裁判じゃないんですか?」
十年前、ある性犯罪事件の裁判員を務めた谷川法子。彼女の叫びは、効率を重んじる法廷の箱庭に虚しく消え、割り切れない重いしこりだけが残った。その経験は、彼女のささやかな結婚生活さえも狂わせていく……。
時が流れ、静かな町の工場で経理として働く法子の前に、不慮の事故で右手の指先を失った二十代の青年・神原律が現れる。指導員として彼を支える法子に、律は怯えた声で囁いた。「ぼくのことをどうか、守ってください」。
孤独な二人の出会いが、十年前の「あの裁判」の、決して開けてはならない扉をこじ開ける。過去と現在が交錯したとき、暴かれるもの──それこそが、「こたえあわせ」。
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