西任暁子『本音に気づく会話術』

を、読みました。西任さん三冊目になります。

「ホンネ」というのは、あらかじめ心に中にあって他人が無理やり外から手を突っ込んで探りだすものではない、というところがミソでした。「ホンネ」というのは、もしかしたら喋っている本人だってわかっていないもので、そのつまらない波風が立たない「深海」に向かって、言葉という道具を使って、会話の場にいる者がゆっくり丁寧に発見していくものなのだ、という視点は素晴らしいと思いました。

幾つかのテクニックは紹介されていますが、やっぱり人は思った以上にちゃんと言わなければ相手にはなにも伝わらない、ということですね。コミュニケーションについては「言い過ぎ」というのはないのだな、とまるで新入社員の研修のようですが、あらためて人と相対するときの自分の姿勢について考えさせられます。

最近自分の中で「テーマ」になっているスローということについても鑑みれば、面倒臭がらずにゆっくり焦らず言葉に一つ一つしていき、事実を確認し、感じたことを述べ、相手の行動を促していく、ということを本当に面倒臭がってはいけないということだと思います。

当たり前のように思えますが、大事なのはここに書かれてあることを実践していくことだと思います。そしてそれは、いまからでも可能だ、ということですね。意識をして、いずれその「会話術」が身についてしまえば意識にも登らず自然体で「ホンネ」にたどり着けるようになると信じて、「対話」とその「発見」を楽しんでいきたいと感じました。

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