また少しずつ書き始める

だれに見せるでもない、だれが読んでくれるでもない、だれに頼まれたわけでもない。そして、現実的にぼくの書いたものになにか客観的な価値があるともいまさら思わない。

ぼくの書くものは、まず第一に、ぼくにとって意味がなければならない。いや、これもすこし衒いだ。ぼくは、ぼくが書いているその瞬間だけを愛している。たった一人で、机に向かう。パソコンにパチパチやるよりも、鉛筆でゆっくりと書き進めるほうが性に合っている。

放課後の部活みたいなものだ。遅れてきたサークル活動だ、たった一人だけど。その時間を持つことだけが、ぼくをぼくに引きとどめている。ぼくはすぐに日常に味方してしまう。演技をしてしまう。

いつ完成するのだろうか。ラストシーンはまだ見えない。けれど、一人称の主人公と、また何ヶ月かの人生の貴重な時間を伴走していく。そのスタートラインを、今もう一度、またいだところだ。

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