平野啓一郎『本の読み方 スロー・リーディングの実践』を読みました。

を、読みました。

実際に読んだのはPHP新書版なのですが、いまは「PHP文芸文庫」?なるものがあるんですかね、そこに採録されているようです。折に触れて読み返す山村修『遅読のすすめ』も言及されていますが、やはり本家の方がずっと面白いです。

本書も前半の「基礎編」「テクニック編」はけっこう面白く読めるのですが、そことてもいつもながらに筆者の「ビジネス書みたいな新書もお手の物ですよ、へへん」みたいな声が始終付きまとっていて、簡素な文体がなんとなく鼻につきます。

後半の「実践編」も別にゆっくり読んだから見えてくるような話でもなく、なんとなく教科書ガイド的というか受験現代文テクニック的な小話が「開陳」されるだけでいまいち「なるほど、それならゆっくり読んでみよう」と思えるような記述も見当たりませんでした。「伊豆の踊子」の主語の問題も、確かにそうなんですが、これもなんか大学一年生が「比較文学」なるものをちょっとかじって喜びそうな挿話ですよね。

平野啓一郎は、昔はずいぶん熱心に読んだものです。デビュー作からこれでもかと繰り出される「テクニック」にずいぶんぼくも若いころは興奮したものですが、それこそいま読み返したいかといわれるとなかなか……。これも時期が来ればまた違うもんなんでしょうかね。


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