『日本書誌学を学ぶ人のために』を読みました。

を、読みました。

この、世界思想社のナンチャラを学ぶ人のためにシリーズは大学時代本当にお世話になりました。学術的には「サルでもわかる」と銘打ってくれてもよいほどの懇切丁寧さなのですが、自意識過剰な大学生にはこれくらいの格調高い、まさに「書誌」がありがたかったりするのでした。

いま読み返してもなかなか内容としては面白いですし、これからも「紙の本」を読み続けていこうと思う人はぜひ手に取ってほしい本です。とくに冒頭に紹介されている、江戸時代の本の取り扱い方の指南については、かつてそのようにして本が読まれていた、そういう対象物であった(/である、今でもなお)ということを知るだけでも「愛書家」にとってはニヤニヤしてしまうくだりです。もちろん本書ではそのすぐ後で同時代には逆の読み方もあったということもしっかり付け加える「学術的」態度がにくかったりするのですが。ただ、いずれにせよ「礼節」をもって書物という対象に向かうことの大切さを、本書を通読した時にしみじみと感じ入ることになるのは間違いないでしょう。

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