ジェフリー・ロスフィーダー『日本人の知らないHONDA』

を、読みました。

エピソードには事欠かない会社のようです。トヨタとは違うやり方でグローバリゼーションの中でのものづくりのあり方を体現してきたことがよくわかります。そして、それはやはり本田宗一郎の基本的な考え方に則ってきたことが、結果としてついてきているということが、こういう創立当初から独自路線を貫いてきた(かつ今現在でも存続している)会社の強みなのだと思いました。北米での成功体験が、やはりこの会社の根幹にあるというのは、無視できない事実だと思います。日本人の知らない、というのはいささかも大げさではなくて、国内の車種と海外各地域で販売している車種とはまるで違っていて、本書にも出てくるリッジラインのいろいろな車体の工夫は、まさにグローバリゼーションの中のローカリゼーションを垣間見せる顕著な例と感じました。とにかく、アメリカのジャーナリストの筆によるものですが、かなり内部事情にまで取材されているようで、日本で発売される企業本によくあるような提灯記事ではまったくなく、読み応えのある本でした。おすすめ。

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