佐々木閑『大乗仏教』(NHK100分de名著)

を、読みました。

講師と青年の対話による形式はどこか『嫌われる勇気』風ではありますが、非常にわかりやすい本でした。大乗仏教のタイトルが付いていますが、基本的に「釈迦の仏教」からの派生についての解説をしてくれている本ですので、日本の仏教の来歴をコンパクトに知ることができ、仏教の概観もざっくりと把握できるなかなか素晴らしい本です。もちろん「お勉強」を一方踏み出すためにはここから経典という原点へ入り込んで行くことが必要なのでしょうが、ひとまずはこのくらいにしておきましょう。なんといっても、巻末の以下の言を読むと、筆者への信頼感がぐっと増しました。盲信への継承。

心の底では信じていないことを仏教の教えだからと言って信じているふりをしたり、あるいは自分の世界観に合わせるために、たとえば「釈迦は本当は業も輪廻も説かなかったのだ」というように歴史の方をねじ曲げようとする人を見かけますが、私にはそんな器用なことはできません。やはり、自分が持っている世界観に沿って正直に仏教と向き合うのが一番納得のいく生き方だと思います。

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