井上理津子『葬送の仕事師たち』

を、読みました。

おそらくは、人の死後に関わる職業の人達のルポとしては唯一であり、かつまた無二のものではないかと思った。面白い、という感想が不適切であるとしたら、奥深い、と言ってもいいでしょう。知る、というのは大事なことだと思いました。もちろん世の中には悪徳業者もいるのでしょうし、志の低い人達も中にはいるのかもしれません。でも、それはどこだって同じなんでしょう。葬儀社や火葬場で働く人を一段下に見る必要はないし、かと言って特別高貴な仕事として「祭壇」に祀ることもまた別の誤解を生むのでしょう。職業に貴賎はありません。どんな仕事でも、そこに向かう真摯な動機がある限りその仕事は尊いのだし、一つ一つがやはり、自分の日常に跳ね返ってくる感じがしました。

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