村上春樹『村上朝日堂はいほー!』

を、読みました。

同シリーズの前の二冊に比べて媒体が違うというのもあるんでしょうが、だいぶ「めんどうくさい」文章が入っています。あまり寝転がって気楽にパラパラページをめくるという感じでもありません。

特に割と最初に出てくる「青春と呼ばれる心的状況の終わりについて」なんてなかなか鬼気迫る感じの文章です。個人的には、青春というのは、青春にかぎらず何でもそうだと思うんだけど本人が「終わった、終わった」と騒いでいる間は全然終わっていなことが多いんじゃないでしょうか。終わったんだなあと懐かしんでいた頃が、ようやく懐かしくなって、本当に終わるんじゃないでしょうか。それは音もなく訪れるのだろうし、劇的な何かが起きるわけでもないのでしょう。知らない間に、青春は終わるのだろうし、終わらせることもできないというのが、本当なんじゃないかなと、ここだけは強く思いました。

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