安田貴志『はじめて学ぶマーケティングの本』

を、読みました。

同僚が研修で教科書として使ったという本を譲り受け、ざっと一読。前半はかなり理論的ですが、後半に行くにつれてだいぶイメージの持てる話が色々出てきて、ぼくのような初学者には噛みごたえ含めて充分なんじゃないでしょうか。とはいえ、理論を知るにはいい本ですが、具体例が乏しいので、たとえばこれを読んで小売業者さんが「これやってみよう!」という気にはなりません。実務に落とせないものは無駄、とまでは言いませんが、学者じゃないのでサラリーマンはこれをとっかかりとしてもっと別の方面に足を伸ばしたほうがいいと思います。

でもたとえはどんな本があるんでしょうかね? 日本のヒット商品で、マーケティングをうまく使ったものがあるとしたらなにか思い浮かびますか?(私は思い浮かびません) 売れたものの、あとづけの理論なのかもしれませんが、そういう視点で世の中を見てみるというのもまあ、たまにはいいのかもしれません。

面白いのは、結局のところ人間が何か物を買うということについての理論なので、突き詰めれば「人間とはなんなのか?」というところにも足を踏み入れるような気がします。私なぞは保守的な人間なので、未だにガラケーですし、嫌な思いをして稼いだお金を大事に使うためには、評価の定まったスタンダードなものしか買いたくありません。どうも世の中はそういう人ばかりで動いていないということらしいのですが……。

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