齋藤孝『35歳のチェックリスト』

を、読みました。

いろいろ読み方は有ると思います。世間一般的にサラリーマンやって、結婚して、子供も産まれ・・・みたいなまさに自分のような(そりゃまあ、事情はそれぞれあるのだろうれど)人間が読む分にはまさに道徳の教科書のようなものなんでしょう。今の時代に合わせている部分もあるし、それでもやっぱりここはこだわってくれという著者の思いもよく分かる。

それでもなお、やはり文学を嗜むものの目からすれば、ここからこぼれおちるものってなんだろう? と思ってしまいます。貯金もなく結婚もできず予備校講師をやっていても、若い学生たちが目を輝かせて授業を明けに来るのならそれでいいじゃないか。自分の趣味に時間と金を費やし続け異常なまでの執念を文化として後世に残す人だって、子供を二人生むことと並ぶくらい立派じゃないか。

でも、多分これはそういうふうに読んではやっぱ誤読で、やっぱり世間一般の大多数のサラリーマンが読んでウンウンと唸るための本なのだと思います。むしろ批判されるべきは「女性総合職問題」にまったく触れられていないという点で、その意味で本書もまた古き良きオジサマたちの嗜好品とも言えるのです。イイタイコトはわかる。でも、自分の年齢に責任をもつのは自分だ!

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