村上春樹『職業としての小説家』

うーむ、特段目新しい話は載っていなかった。この作者が「自分語り」をするのは、講談社の全集の月報くらいかと思っていたけれど、最近のインタビュー集なんかも見れば、結構同じことを何度もいろいろなところで言っているんだよね。その点はまあ、「あとがき」で自らも言っているのでいいんだけど、いかんせん、「教育」についてとか言い出しちゃうと、別に村上春樹に求めているものはそういうことじゃないんだよなあ……と、げんなりしてしまう。あなたの個性自慢はもう聞き飽きましたよ、というやや胃もたれ感は否めないし、こういう人間に接していて「いらいら」してしまうのは多分ぼくのほうなので。なんとなくパターン化しちゃってるよね。優等生の拡大解釈した不良自慢をでっち上げて、あえて不道徳的立場から社会的・政治的発言をしてしまうのって、すごく脇が甘いと思うし、やめればいいのに、とも思う。

そして、なによりもかによりも、ぼくは小説を読みたいのです。

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