オウィディウス『変身物語』

を、読みました。

これもまた平野つながりですが…ローマ的解釈によるギリシャ神話、というか、ローマ神話というか。正確にどう言ったらいいのかはよくわかりませんが、神話の中から「変身」にまつわるものをとにかくかき集め、一つの叙事詩として編纂されたものです。大物の神様は何度も出てくるので覚えられるのですが、中小の神様が何度か出てきては引っ込むので、たぶん一回では読み切れていない感じがします。気がついていないつながりが幾つもありそう。

訳者解説にもありますが、下巻の最後になって突然ピタゴラスが出てきて「万物流転、盛者必衰の理」みたいな長広舌をおっぱじめるのですが、それが要は「変身」の総括でもあるんですね。そして極めつけは、作者自らがこの作品によって得られる自分の名声は永遠だと言い切ってしまうところ。詩人はこの一大叙事詩編によって永遠に変身するって…お後がよろしすぎる結末にかなりずっこけてしまいました。

ナルシスの話など有名なギリシャ神話はかなり含まれています。むしろ変身物語を読む前にギリシャ神話原典にあたったほうが正当な読書なのかもしれませんが。

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