原研哉『RE DESIGN』

を、読みました。

日用品の、いわゆるアノニマスデザインをもう一度ゼロベースから、色々な人たちに考えてもらう展示企画の記録です。

たとえば「ゴキブリホイホイ」、たとえば「新聞」、たとえば「ティーバッグ」。原研哉から与えられた課題に対して、建築家やデザイナーたちがソリューションを提案していきます。もちろん中には首を傾げたくなるようなものもありますが、逆にそれは、いまあるデザインが既に考えつくされ、これ以上ないくらい完成されたデザインであるということを、教えてくれます。日常に埋没した当たり前すぎる「かたち」に対して、いかに驚きを持って接するか。小林秀雄がダンヒルのライターを眺める目で、ぼくたちはいまこの机の上にある一つ一つの「もの」を、見つめなおす必要があるのかもしれません。刺激に満ちた一冊。

原稿用紙に万年筆で書くことは、保守的な行為ではない。原稿用紙は、ひとマスにひと文字ずつを書くように書き手に要請しているのだから、デジタルだと言える。連綿となる書字の運動を押しとどめ、字幅ごとに字間を詰めたがる昨今の組版ソフトも抗している。原稿用紙は、メディアなのだ。(鈴木一志)

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