村上春樹『スプートニクの恋人』

を、読みました。

世の中に、ベストセラー小説というものがあるということを身近に感じた最初の本だったかも知れません。本書の単行本が発売されたときの、世の中での受け入れられ方は、高校生だったぼくにもなんとなく感じられるものでした。川崎の有隣堂で、けれどそのときのぼくはチェーホフの「櫻の園」の文庫本を買いながら、うず高く積み上げられていたベージュ色の単行本の表紙を遠くで眺めやったものです。そのとき、ぼくの読書体験に現存の作家はレパートリーに入っていませんでした。もっともっと、読むべき物がたくさんたくさんリストアップされていたのです。

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