小林秀雄全集第十三巻

を、読みました。

いよいよ全集通読も次巻からの本居宣長、ベルグソン関係を残すに至りました。

本巻は対談を中心に生っぽい声が聞こえてくる構成になっています。さすがに同時並行で本居宣長を書き継いでいるのでしょうか、二稿程度の発表という年もありますが、数学者、音楽家、文学者…様々な世界に住む人々との対談は流石に氏の批評の矛先の幅広さに驚かされます。なんといっても科学に対してもかなり造詣が深く、また興味を持って理解につとめているのが、現代のいわゆる「批評家」たちと一線を画しています。文系/理系とか、自分が出た大学の学部がどうだったとか、そういう細分化は本当に最近の出来事であって、当然ながら本巻の中でも小林は対談の中で学者や大学の「行政化」に対して気炎を上げているのです。

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