石川寛『ペタルダンス』

デビュー作以来のスタイルは変わらず、また菅野よう子の音楽も冴え渡っていました。キャスティングも申し分ない。

けれど、もうあんまり、この手の映画に感動するようなこともなくなりました。ただ、長くてきれいなスクリーンセーバーを眺めてきたような。それが映画としてダメだというのでは決してなくて、こういう作品は全然ありだし、モチーフの古臭さやいかにもな感じの女性像に辟易する連もあるでしょうが、でも、90年代のある一角にはこういう光が燦然と輝いていた。それを2013年に、新作として見たときに、どれほど観客の目に耐えられるかというのは作品論とは別の話でしょう。何が言いたいのかっていうと「もうおなかいっぱい」ということ。

「マイバックページ」の女優が二人出ていて、忽那汐里のナチュラルさは石川寛の方向性によく合っていたと思う。逆に宮崎あおいは厳密に言えば「ナチュラルな演技派」なので、安心しきって見れてしまうという、そのことがあまり、映画を前に進める力に貢献していないように思えた。男性陣をもう少し時間割いて欲しかったなあ。

という雨の日曜日でした。シネクイント。渋谷は本当に久しぶりでした。

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