無題2

私の存在価値はなにか。私の所属する集団の存在価値は何か。この二つの問の関係はなにか? 私と集団とはどのように定義されるのか、されるべきか。「私」はどこまで拡大解釈されるのか。この問いを問うべきは集団の内部に対してか、外部に対してか。

ホメラレタイダケ・・・
価値とは相対的なもの、と言い切ってしまえるのか?
幸福と幸福感は区別されるべきか。幸福も不幸も相対的なものだ、と言った時、それは「正確には幸福感でしょ?」と言い直されるべきか。私はあなたと比べる。あなたは私と比べる。けれど比較の対処になったとき、両者の間にはなんの交通もないだろう。私はあなたに幸福を、あるいは幸福感を与えることはないであろう。けれど不幸にすることもないだけましなのかもしれない。それを「まし」と判断するあなたの人間性の歴史に、背中が凍る思いもあるのだけれど。
夜中に──あまりに気分が悪くて目が覚める。私は拒絶されたくないのだ、誰からも。私は私をかくも甘やかしてきたのだ。けれど体が反応する。正直に。
冷たい雨。靴音を立てて前を往く女の人を追い抜かす。私の後ろで、靴音がさらに高鳴る。暖かい地下鉄の中で少しだけ眠る。明日で世界が終わればいいのにと思いながらうたた寝するとき、少しだけ私は私に対する矛を収める。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA