山種美術館

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に、行ってきました。

現在、同館では又兵衛の「官女観菊図」が重要文化財に指定されたことを記念して同館所蔵の江戸絵画を展示しています。

山種美術館は山種証券創設の山崎種二により蒐集されたコレクションを母体としていて、財閥系・私企業メセナ系の中でも日本画を得意とする美術館として知られているようです。

場所は広尾。恵比寿駅から15分近く坂を上り続けてようやく到着したころには汗だらだらでした。やっぱり渋谷のあの近辺は谷底になっていますね。交差点から東西南北を眺めてみると、土地の起伏かよくわかります。

さて、館内は光に弱い日本画の展示とだけあり、先週の国立西洋とは打って変わってかなりしぼられた照明。その中でもさすがに宗達のキンキラキンは目立ちます。

展覧会のテーマとしては「江戸絵画への視線」として江戸期の絵画を総攬できるという触れ込みのようなのですが、又兵衛、宗達はさることながら抱一、基一、大雅までは良しとするものの、それ以外は馴染みのない画家のものも多くなかなか江戸期の流れをつかむのは難しかったかなというのが正直な感想。

そもそも江戸期においてもっとも隆盛を極めた表象文化としては木版、浮世絵が上げられるわけで(もちろん木版以前も江戸時代は続いていましたけど)、そうした時代背景の中での日本画・文人画の位置づけというのがどういったものなのかが前提知識として不足していたかなあ。そもそも「日本画」っていうのが明治以降の概念だし・・・。

今でこそ又兵衛なぞメジャーな存在ですが、当時どれほどの人間が見ることができたのか? どのような享受のされ方をしていたのか?

パンフレットにもなっている「官女観菊図」などは、辻惟雄によれば古典主義をかなぐり捨てた「何とも淫蕩な表情」をたたえているそうなのけれど、そういう「眼」を持てるのはやっぱりある程度の鍛練を積んだ層での楽しみ方なのかもしれない。

・・・などと考えてはみたものの、先週に引き続き圧倒的な知識不足を感じているので勉強、勉強です。

山種美術館」への2件のフィードバック

  1. 天平

    江戸から明治にかけての絵師ですが、狩野芳崖が大好きです。悲母観音、仁王捉鬼図色、伏竜羅漢図あたり。
    悲母観音に関しては背中にお絵かきしたいくらい好きです。

    会社をクビになるので出来ませんが・・・

  2. しゃもち@管理人

    悲母観音はむかし見ましたねー! あのモチーフであれだけの大きさの中にあれ程のディテールを備えていると、もう言葉が出なかったです。日本人にとっての宗教画がどーたらこーたらとかコムズカシイ話をする前に、まずは見て、感動してみろって感じがしました。

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