西炯子『娚の一生』

を読みました。

完結ですね。あんな地震ネタで終わるとは思いもしませんでしたが、なんとなく三巻という枠に収まりきっていないというか、この内容であればもう少しページを費やしてもいいし、費やさないとなかなか伝わらないものも伝わらないような気がしました。地震だけでも豊島ミホ『東京・地震・たんぽぽ』くらい一冊書けてしまいますから。

おそらく30代の恋愛や、女が仕事をするということ、老後や相続も含めた家族の問題、いろいろなテーマが散らばっているのだけれど、上手く絡み合ってきてくれない。それぞれはぞれぞれのエピソードとして実に上手いのだけれど、それらを集めて一冊の本にしたときになかなか人物像が収斂されてこないのが残念。まあ、現実の人間はそんなもんと言われればそんなもんなのでしょうが。。。作品としては海江田のキャラクターに牽引されるところはあるので、むしろそこでの評価が高いのかもしれません。漫画大賞が楽しみです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA