岩本ナオ『Yesterday, Yes a day』

 

あー、なんかこういうのは好きですね。

絵柄があまりに素朴すぎて取っ付きづらいところはあるのですが昨今の少女漫画はどんどん「王道」を外してくる。これは、田舎の高校生の物語。幼なじみの男の子が東京から転校してくるんですが、これまた男子校にいたせいでめちゃめちゃ女の子に弱い。このあたりが大学に入りたての頃の自分を彷彿とさせるので読んでいてかたはらいたいのなんのって。

このマンガの素晴らしいところは、ありがちな都会と田舎の二元論、あるいは田舎を闇雲に否定する若い人達、といった図式が全然無いところ。むしろそんなわかりやすさは一切考慮されていない。そんなつまらない図式でドラマを生み出そうとする魂胆は微塵も感じられない。

狭い人間関係の中でそれぞれが自足し助け合っている。そのことが当たり前のように描かれている。それがいいとか悪いとかというお話しではなく、ただそういう人間関係がある。「ある」「存在する」人間関係をそのままに描いているマンガってなかなか無いと思う。

非常に、お薦めです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA