秋のマイ芸術祭

昨日は芸術の秋ツアー。

まずは出光美術館。

20091008_3083942

松園、波山といった出光の得意とする作家の展覧会。まあ、出光に行っていると何度も目にするものも多かったのですが、富岡鉄斎なんかあらためてまとまった数を見ることが出来てなかなかよかったです。

併設で最近大人気の仙厓さんもやっていました。「指月布袋画賛」「一円相画賛」も見てきたぞ! 仙厓さんは絵もいいのですが、字もいいのでつくづく見入ってしまった。

つづいて新宿テアトルへ。

「アキレスと亀」、見てきました。

これは北野武による「地獄変」ですね。といっても、(予告編の雰囲気に反して)主人公の画家は孤高の天才では決してないところがたけし的といえばそうです。

少年時代、青年時代、壮年時代の画家の変遷を丁寧に描いていきます。前半はかなりお涙ちょうだい的に進んでいきますが、武が出てくると一転してコメディーになっていきます。画商の一言一句に影響を受けすぎて翻弄されている姿は場内からも笑い声が。けれどちゃんと最後は落とすべき所に落としていきます。ここからはちょっと笑えないな、というところへの展開の仕方がさすが、という感じ。二時間があっという間でした。

一方で、とにかく人が死にまくる映画です。このあたりを北野武の死生観! みたいに語りたがる人がいそうで──これはあまり深読みしてもしょうがないんじゃないか、という気もするのですが。メインはやっぱり狂気と正常の狭間、みたいなところにあると思います、この映画は。そしてそれは芸術において、「本物」とはなんなのかという問題にもオーバーラップしています。

北野映画の重要なモチーフとして「変な大人」というのは確実にあって、「変な大人」と「子ども」の親和性に、正常な大人たちが「それはおかしい」と切り込んでいく、あるいは「あいつはしょうがねえな」という理解者の登場によって涙を誘う、というパターンがあると思います。今回の作品はクライマックスでついに「狂気」が「狂気」として描かれてるところに新しさがあるんじゃないのか。それも、自らの生命を滅ぼしかねない狂気として。そんな風に思いました。

さて、映画館を出て渋谷へ。

podcastでおなじみのクラモチ先生がライブイベントをやるというので会社の同期陣と見て参りました。

こういうところへは初めて行ったのですが、大音量の音楽に身をゆだねるのもいいもんですね。出演者もけっこう働きながらたまーにバンドやってますみたいな感じの人が多くて、そういう人を目の当たりにするだけでもなかなかの刺激になりました。

この詳細はきっと次回のラジオで本人が語ってくれることでしょう。

そのあと軽く飲んで幕張の同期社宅に泊めてもらう。んで海浜幕張から出ている高速バスでさっき帰ってきました。バスの乗客はぼく一人でしたよ…。

そんな感じの秋の一日でした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA