『砂時計』

を、読みました。

うーん、本編の終わり方はちょっと残念。14年かけて元さやに戻るってのはちょっと少女漫画でもいくら何でも、とかそういう話ではなくて、

やっぱり社会人になってからのお話はそれぞれがそれぞれの「強さ」を見いだしていく過程のようにも読めたので、それが結局出発点に戻ってきてしまうっていうのが作中人物達の成長とはとても思えなかった。

大悟の結婚の話がガセだったっていうあたりから物語の流れが急に濁った。あのまま一人でも生きていける強さみたいなものを背負って杏が思い出の世界から巣立っていくというところで終わらせればいいものを……ううむ、納得がいかん。

まあしかしテーマとしてはすごく面白かった。『僕等がいた』もそうだけど(奇しくも別コミだな)、〈田舎=故郷=思い出〉という場所からいかに人間は未来へ向かうのか、未来へ向かうつもりでいて回帰してしまっているのか、それとも現状を維持するのか(現状維持が一番多くの人が進む道なのだろうけど)、そのあたりの選択の仕方がそれぞれの登場人物造形に色濃く出ていてなかなか楽しめた。

映画にもなるそうですね。この前昼間にドラマ版をやっていて面白そうだったので大人買い。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA