最近読んだ本、の感想

ミニスカ右翼と聞けば「ああ」と思い出す人も少なくなってきた雨宮処凛さんはずっと好きで、『新しい神様』のDVDまで持っているぼくなのですが、この本は彼女の綿密な取材によるニート救済論です。

大卒で正社員のぼくではありますが、この本には年俸制によって搾取される若い正社員も登場してきて、決して他人事ではない。

「今の社会は」なんて言い出すと鼻白む人も少なくないかもしれない。けれど、自己責任論によって追いつめられたフリーターたちに残されている道は「社会が悪い」「制度が悪い」「政治が悪い」と声を大にして言うこと。そして目の前の雇用者がどんなに強権的で高圧的であったとしても、法律というのは案外フリーターにも保護的で、けれども声を上げなくては(あるいは役所に行って申請書を出さなければ)法律も守ってくれはしないということを啓発してくれるいい本です。

あとがきにも書いてあったけれど、偽装請負や搾取によって成り立っている企業の製品に対する一人不買運動もなかかなか限界がある。本当に問題のない会社を探す方が難しいからだ。でもまあ、とりあえずはせめてあの電器屋には行かないことにしてあのメーカーの商品は敬遠することにしよう。あとは足元ね。

よしもとばななはほとんど読んでいるのだけれどこれが抜けていた。昨日東京に行った帰りの電車の中で一息に読んだのだけれど、久しぶりになんだか忘れていた感情を呼び起こされた。

これは本当に、初恋の話です。そして作者お得意の、自分が子供であることを知り尽くしている大人びた少女と、大人であることをわざと知らんぷりしている子供っぽい男性とのやりとりがみずみずしく描かれています。よしもとばななとしてはもっともスタンダードで十八番の小説だと思う。挿絵の子供っぽさにだまされてはダメです。

まったくついて行けなかった。

篠沢センセーということで買ってみたのだけれど、そうだこの人、他でもない学習院大の教授だったんだ・・・てことを忘れていた。古いものは何でも悪いっていう戦後民主主義的なお利口さんたちを批判しているんだけど、万世一系の伝統は日本が世界最古だから誇るべきだって・・・古いものは何でも良いってことですか? ぼくはむしろ安吾の「日本文化私観」(だっけ? 文化財なんてぶっこわせっていきまいているやつ)に説得させられる口なので。

皇室云々よりも前に、篠沢先生の語り口にだいぶ辟易しました。

明日から大阪へ出張です。行き帰り本読むぞー!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA