なななん新刊

さっそく買ってきて読みました。短編集というか、掌編集ですね。

ブルー、ストロベリー、マヨネーズの三つの長編も好きだけど、やっぱりこの作家は日常を切り取ったスナップショット的な作品が冴えています。長編作品も割と短編を積み重ねたような感じなので、まあ言ってみれば志賀直哉みたいなものでしょう。

「キャンディーの色は赤。」は初期の「痛々しいラヴ」と比べてより「痛々し」さが勝ってきているように感じました。「13年間。」「こうふく。」などすばらしい。強がる弱き者たちがそれでも必死に生活を続けていくことのせつなさというか、まさに「有機交流電燈のひとつの青い照明」のような。

日曜日の夕方の読書にはもってこいです。

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