『誰も知らない』を見ました。
勝手に家族もののほのぼのしたものかと思っていたのですが、けっこうボディーブローというかじわじわと見たあとさいなんでくる映画でした。
例のコンクリ事件の詳細を知ってしまったときのような、人間の人間であることのギリギリの部分を見せつけて来るという意味ではかなり苦い味がします。主人公が子供なのでなおさら。
つい昨日、長塚圭史の(というか三好十郎の)『胎内』をDVDで見たのですが、たぶん、同じことを言っている。それがなんなのかはまだ言葉にならないのだけれど。
なんのために人間は生まれてきたのか?
なんのために人間は生きるのか?
この二つの問題は意外と次元を異にしているように思われるのだけれど(ぼくだけ?)、きっと答えは同じであるはずだ。
そしてもっとも残酷なのは答えを持たないままなおもぼくらが行き続けなければならないということなのでしょう。『胎内』で長塚が叫ぶあのニヒリズムを柳楽演ずる少年は知らないけれど、それを現代においてもっとも体現しているとすれば彼なのでしょう。
是枝監督の『ワンダフルライフ』も見てみたいなあ。レンタルにないんだよなあ。
それはつまり、
なんで生まれてきたの
↓
生きるためだよ
↓
なんで生きるの
↓
生まれてきたからだよ
という自家撞着を断ち切るためのもの。