今朝目が覚めたら頭の中に突然金のように鳴り響いたフレーズ。
「戦闘、開始」
太宰治『斜陽』の中に出てくる。原文はこのあと次のような文章が続く。
戦闘、開始。
いつまでも、悲しみに沈んでもおれなかった。私には、是非とも、戦いとらなければならぬものがあった。新しい倫理。いいえ、そう言っても偽善めく。恋。それだけだ。
べつに恋、しているわけではありませんが。それはぼくにとってはブンガク、かもしれません。ただ、なんだか急に明るい物語を書きたくなった。ちがう、明るい主人公を描きたくなった。ぼくが動かさなくても勝手に動いてくれるような。
もちろんその「明るさ」は太宰的なコンテクストを十二分に引き受けている。
アカルサハ、ホロビノ姿デアラウカ。(『右大臣実朝』)
滅びるまでの明るさ。滅びるほどの明るさ。滅びるがゆえの明るさ。
自分を大切にできないとき一番がんばれたりするのは、経験上ぼくにとって周知の事実。いつまで続くかわかんないけどね。