水戸を開拓(第4弾)

今日は茨城県立図書館に行って参りました。水戸城の跡地に建てられていて、お堀を越えたところにでんと構えていました。

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これはよかった。ぼくは文学のことしかわかりませんけど書架をぐるぐると回ってみた感じでは大学の図書館くらいのラインナップにはなっていました。さすがに市立と県立とは違いますね。

なんとここは地下書庫が開架になっていて、下りていくとなんとも懐かしい匂い。茶色くなったふるーい本が放つあの独特の薫香ですよ。卒論に明け暮れたぼくの大学四年時を象徴するんですな、あいつは。そんなわけでろくすっぽ本は読みませんでしたが本を書架から出したりしまったりうろうろして楽しみました。

あとこの図書館にはホールが併設されていて、というか図書館の中に組み込まれていて、なんにも催しがない時は中に入ってシートに座りながら本を読むなんてこともできます。高校生がたくさん勉強していましたけどね。あんな環境を手近に持っている水戸の学生たちがうらやましい。

ところで今日図書館に行ったのは、某新人賞に投稿していたぼくの小説の結果がそういえばもうとっくに出ているはずだということを思い出して(ということはつまり落選していることはたしかなんですが)、それを雑誌に確認したかったのです。

で……

箸にも棒にも引っかかってない!

ちぇっ。

自費出版した出版社もホームページが最近見当たらないし、何やら裁判沙汰になっているという情報もネット上で見かけたし。だいじょうぶか!? ぼくの文学修行は前途多難です。

ちょっと意気消沈しながら水戸駅に方に戻っていつものように川俣書店を物色。下の本を買いました。ベンチャー企業社長の手記、けっこう売れてましたよね、一時期。

けっきょく一気に今日、読み終えてしまいました。これはすごく面白い。帯にも書いてありましたけど本当に小説でも読んでいるような、ハラハラさせる物語が展開しています。

起業から仲間や恩師とのつながり、株式上場、決算黒字へ――決してあれよあれよとすべてがうまくいった成功譚ではありません。藤田晋さんのやわらかな語り口調の裏にどれほどの努力とか苦悩とかが秘められているのかをまずは想像しなければならないし、いくつかのターニングポイントの場面ではもし自分が同じ立場だったらどうするだろうかと考えさせられます。

いちおう、いわゆる「大企業」に勤めているぼくではありますが、この本に書かれているベンチャー精神のようなものは持っていたいなと思いました。それはつまり会社を経営者的な視点からも見るということ、どんなに規模の大きな会社でも。

やっぱり下っ端の事務屋さんですから目の前の数字を処理していくことにしかだんだん目が向かなくなっているのが現状で、先週の株価の終値もわからない有様ですからひどいもんです。うちの会社だって黎明期があったわけで、そこでは起業した住友なんとかさんのものすごい努力があったはず(って、新人研修の時に学んだことはすっかり忘れているな、自分)。そういう人たちと同じような視線を持てたら、ステキに仕事もできるんじゃないかしら。

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