a day

貨物線の単線路が山をえぐっていて、それに沿った狭い道を歩く。
30分も足を動かせば一つくらい踏切があって、それを渡ればまた登りのきつい坂道。
気がつけば寮を出た時の明るさは辺りになく、車のヘッドライトが肩をかすめていく。
最初は夕方の変な時間に食べたカップラーメンが、せっかく積み上げていた空腹感を蹴散らしてしまったのをなんとかしようと外に出たのだった。
すこし汗をかきながらいつもは自分も自動車で飛ばしていく道を行く。
柿の実がなっていて、匂う。
買おうと思っていた煙草をやめる。
部屋に戻ってきて、うちやっていた筆をもう一度とりあげる。「滅」と書いて、それから「秋」と書く。
最近カレンダーを見ていないことに気がついた。

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