ダスティン・ホフマン『卒業』

を、見ました。

いやしかしこれ、すごい映画ですね・・・。なんというかどう見ていいのかが最後まで分からないと言いますか。ロマンスなのか、青春なのか、喜劇なのか、悲劇なのかすらジャンル付けできない「変な」映画でした。映像の演出も結構凝ってますし。

とにかく不倫がばれてからのベンジャミンの狂気がぐいぐい勝っていって、エレインも最後の最後はその狂気と一体化していくということなんでしょうか。好きな子の大学にまで潜り込んでストーカー行為するとかハンパないですよね。エレインの結婚も、おそらくは両親に医者と結婚すれば安泰よ的な、おしつけられた結婚だったのでしょう。あまりに有名なラストシーンもエレインの両親はどうやってベンジャミンよりも早く結婚式に到着しているんだろうとか、若干の?はありましたが(アメリカの地理関係がいまいちよくわからんので)、いろいろネットで書かれてあるような定説はその通りなんでしょうね。あのバス車内の乗客たちの冷たい顔と来たらないですよね。

象徴的なものがいくつか出てきます。プールの中での聴き取りずらい音響であるとか、同様に「車の中」というシチュエーションだったり、最初はピカピカだったアルファロメオが最後の最後ガス欠でドロドロのボロ車になるまで使い倒されるところとか、かなり意図的に配置されているように思えました。

『ノルウェイの森』との連関で言えば、冒頭が飛行機が到着するシーンであるところが共通しているのは何か意図があるんでしょうか。ベンジャミンは、大学を卒業して故郷に帰るという設定ですが、本作のタイトルにもなっている「卒業」の意味合いは、そういう学校の卒業ではなくてそのあとベンジャミンの身に起こった「遅い青春」から花嫁強奪という出口に向かって突っ走ったその過程からの離脱=本作には描かれないその後の「生活」への参加、というそっちの卒業なんでしょう。その意味で「空港の到着」の意味合いは全然違ってはいるんですが。


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