佐々木典士『ぼくたちに、もうモノは必要ない』

ミニマリスト界隈の本は、例のアップル信者的なメンタリティが嫌で食わず嫌いでしたが、この本はさほど上から目線じゃないところがそこそこ読めた気がします。ある日いきなりすべてを捨てるのではなくて、少しずつ減らしていくというのも(たしかコンマリはだめと言っていたような気がしますが)ありだと思います。ミニマリズムという「イズム」になるとそれはイデオロギーであって、思考停止の一歩手前です。もう少しなんか良い言い方がないものか。ミニマリズムという言葉から受け取れるのはひたすら少なければ善という強迫観念でしかないので。もちろん筆者はそれを否定していますが、否定しきれていないよね、具体的なあれこれを見ていると。高度資本主義に踊らされるな、というか、広告に騙されるな、ということのほうが大きいのかもしれません、実際は。さりとて、たぶんモ○・マガジンとかソトコ○あたりはミニマリストの選ぶ珠玉の逸品! なんて特集をやって購買意欲を掻き立てていたりしそうで、そういうのとごちゃごちゃになっている猥雑さが、やはりミニマリズムの怪しいところだったりするような気がします。ロハス商法と似てるよね。とにかく本質を見失わないように気をつけなければいけないのだと思います。

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